東京は中野にあるハウススタジオ、シバリー・ベース。その代表である写真家オガワブンゴさんに、コスプレに対する想いなど伺ってきました（続き）。
１回目はこちら
chapter0からchapter2までの3回の写真展、そして新宿での100photographsまでの流れは最初から構想にあったものだったのでしょうか。
そうですね。chapter0からchapter2までの3回は毎月行ったんですが、chapter0をやると決めて、さらにコスプレ写真を漁るように見ていく段階で、自然と100作品展をやるイメージが出来上がってました。それにA2サイズの写真が100枚並ぶって圧巻ですよ。「絶対に面白いし、かっこいいはず」って。ですから3ヶ月連続で開催することで100作品を揃えたかったんです。ただ、1回目をchapter”0”としたのは、もしかしたら1回で終わるかも？という可能性もほんのちょっと残してつけた「0」ではあったんですけど（笑）
そのあとも、BL百科、3rd anniversaryと写真展を次々企画されていますが、コスプレ写真を見たいという気持ち、写真展を行っていきたい気持ちは変わっていないでしょうか
変わらないし、もっとその欲が増えてきましたね。基本的にはうちのスタジオを見てもらいたい、知ってもらいたいという意味もあるので、シバリー・ベース内での写真展にこだわってこれからもやっていきます。ただ今後は、別の展示場所も模索していく必要性が大いにがあるかなと。僕は、「コスプレの世界の人達」と「一般人」にもし分けるならば、「一般人」寄りです。で、ある程度認知されてきてるけど、まだまだ一般の人のコスプレに対する印象ってネガティブな方が多い。正直、バカにしているような空気感を感じることがたくさんあります。そういうのを見ていると単純に腹が立たしい。何故かというと、毎日cosprit撮影会に来ていただいているお客様と接しているというのは当然ですが、写真展を6回行って、コスプレの格好いい写真、しびれる写真を沢山目の当たりにしてきているから。だから、バカにしているような人達に自分が感動したようなコスプレ写真を見せつけたい、「めちゃめちゃカッコイイよ」って。両方にお節介かもしれないけど、こういった部分はちゃんと主張していこうって思ってます。シバリー・ベース内でやることへのこだわりもあるけど、僕はコスプレ写真を現代アートの一つのカテゴリと捉えているので、カルチャーとしてコスプレ写真を見てもらいたいし、理解させたいですよね。現時点での着地点としてイメージしていることは、ニューヨーク近代美術館（MoMA）でコスプレ写真展をやることです。
付け加えさせていただくと、スタジオに名前になっている「シバリー・ベース」って「騎士団的な志が集まった場所」という意味なんですね。自分は、それを個性的なユニークな人達があつまる基地って解釈させていて。コスプレで利用してくださる方々にとってもそういう場所になってほしいですね。
最後に小川さんはスタジオのオーナーであると同時に、プロの写真家でもありますが、コスプレ写真を撮影しようと思ったことはありますか？
ちょっとありました（笑）。でも、今はないです。それは、原作が僕には全く分からない。僕としては、全く分からないで撮るというのはプロとして出来ないですね。コスプレの根底は、原作へのファン活動だと思っています。撮る側も撮られる側も共通言語を持ってるわけです。ただ撮るということは僕にとっては面白くないし、作品やその作品をコスプレしている人へのリスペクトがなくなっちゃう。軽々しくシャッターを押せないですね。
取材のご協力ありがとうございました！
cosprit撮影会公式サイト
（現在12時間パック・コス友限定フレンドパックのキャンペーン実施中！）
http://cosprit.com/
スタジオ シバリー・ベース公式サイト
http://chivalrybase.com/
■オガワブンゴ Bungo Ogawa
photographer / cosplayphotos curator
1976年9月3日北海道室蘭市生まれ
シバリー・ベース株式会社 代表取締役
合同会社ピーエイチキューブ・コーポレーション 代表
『写真とは「そこ」にいたこと、そして、「語る」もの』という軸を持ち、
被写体の色気を感じる瞬間を切り取り、ドキュメントテイストの世界観を表現している。
NILE RODGERS & CHICを始めアーティストのLIVE・舞台・クラシックコンサート等、
動く被写体を主に撮影。そんな中2013年4月に、マドンナを始め、エリック･クラプトンや
ジェフベックを手掛けた80年代ポップス界を代表するプロデューサーでありギタリストの
ナイル・ロジャーズの写真展を開催する。
http://ogawabungo.com/
